ミニコミ誌『BLACK PAST』!/6月12日の文学フリマに向けて


こんにちは、坂上秋成です。こちらのブログでは初めまして。6月12日の文学フリマまで一週間弱となりました。今回は出店する側でもありますが、非常に楽しみです。


さて、今回は「新時代のミクスチャーマガジン」を謳って『BLACK PAST』というミニコミ誌を販売させていただきます。雑誌タイトルこそ「黒歴史」ですが、中身はガチで作っています!
目次↓



中身につきましては、企画ものが4つ、文章系(小説や批評、漫画)が13本(!)あります。


小説につきましては、プロの作家では、ライトノベルから十文字青さん(『薔薇のマリア』シリーズ、『ぷりるん』)・森田季節さん(『ともだち同盟』、『不動カリンは一切動ぜず』)、純文学から間宮緑さん(『牢獄詩人』、『禿頭姫』)、美少女ゲームから王雀孫さん(『俺たちに翼はない』『それは舞い散る桜のように』)に御寄稿いただいてます。今回、編集サイドからは「インパクトを最優先で!」という指定になってない指定を各作家さんにお願いしました。その願いがかない、どの作家さんの小説も、これまでのイメージとは少し異なる新しい作風になっています。それぞれの作品に挿絵もついておりますので、そちらも合わせてお楽しみください!



批評では、近々『ゴーストの条件』が講談社BOXから出版される村上裕一さんまどか☆マギカとループ構造について語ってもらった『受胎の記憶――ループと忘却のメカニズム』を寄稿していただきました。エロティシズムやセクシュアリティと絡めた、新しい「まどか」への語りはとても刺激的です。僕も『流体現実の時代――インターネット以降の世界認識』という批評で、現在における現実と虚構の関係について語っていますので、こちらもよろしくです。


企画ものには、「宇野常寛×虚淵玄対談」、「中森明夫アイドルインタビュー」、「青春カルチャー座談会」、「黒歴史レビュー10作」の4つを揃えさせていただきました。


「宇野×虚淵対談」におきましては、現代のカルチャーを縦横無尽に語り倒すノンジャンルの評論家、宇野常寛さんと、ニトロプラス所属のライターであり、『Phantom』、『沙耶の唄』などの代表作を持ち、今年は『魔法少女まどか☆マギカ』の脚本を務めた虚淵玄さんとが熱い会話を繰り広げてくれています(マジで熱いです!)。虚淵さんのインタビューはいくつか最近行われていますが、対談形式で、しかも「まどか」はもちろん、それ以外の作品(鬼哭街Fate/Zero)、についても語り倒すという企画は『BLACK PAST』だけのはず。是非是非ご期待ください。



アイドルインタビューを敢行させていただいた中森明夫さんは、「おたく」という言葉の創始者であり、現在もアイドル評論家、小説家として活躍している人物です。今回はここ30年のアイドルの歴史を(黒歴史も含めて)振り返りつつ、広末涼子、『AKB48』、『ももいろクローバー』、『初音ミク』などの話を語っていただきました。アイドルとは祭りであるとする中森さんの刺激的な言葉を楽しみにしてもらえればと思います。



次に「青春カルチャー座談会」ですが、これは一種の覆面座談会です。男性3人と、女性3人に、90年代からゼロ年代を通してのカルチャー、学校生活、恋愛などを語ってもらいました。ちょっと週刊誌的なノリを目指してみたこの企画ですが、結果的にはなかなかガチなトークもありつつ、青春トークのノリをそのまま文章にしたかのような楽しいものとなりました。



黒歴史レビュー10作」では小説から『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』、『僕は友達が少ない』、映画から『リリィ・シュシュのすべて』、『アントワーヌとコレット』、アニメから『さよなら絶望先生』、『放浪息子』、美少女ゲームから『君が望む永遠』、『天使のいない12月』という10作をチョイスしました。個性的なレビューを楽しんでもらえれば幸い。


また、表紙は「COMICすもも」で「はるわか」を連載中の漫画家横槍メンゴさんに担当していただきました! 非常にポップな感じに仕上げてくださいました。羽根の女の子マジ可愛いよ。
 

その他にも、しねあい「普通の言葉で」、杉田u「Dark Past」、橘一成「成熟と上演、あるいはレッテルからの逃走」、不見湍「我が名は†curaudo†」、田村柑橘「リア充とエロゲ――処女厨を超えて」、ケタ「パロディライン」、街田竹生「むりゃかみゆうの不詳」と力作ばかりのラインナップを揃えています。
『BLACK PAST』は書店・ネット売りも検討していますが、まだ未定なので、是非とも6月12日の文学フリマへお越しください! 他にも色々と面白いミニコミ誌はあるはずです。


以前から自分は、いろんな小説がジャンル分けされている状況に抵抗があって、それを「ミクスチャー」するような場を作りたいなーと思っていました。今回、プロもアマも含め、本当にバラエティに富んだ書き手様が揃ってくれたことでひとつやりたいことが達成できたように思っています。絶対に面白い雑誌になっていると確信していますのでよろしくお願いします!